食材と、生物と、自然界と。

レフェルベソンス

先日、南青山のレストラン、 L’EFFERVESCENCE (レフェルベソンス)に行ってきました。前から行きたい、行きたい、とは思っていたものの、やっといけたのです。聞けばもうすぐ改装でお休みになるとのこと。このタイミングで行けてよかった(ホッ)。

 

ずーっと食べたかった、生江シェフの蕪。

レフェルベソンス

ずーっと同じレシピで、ソースも添えてあるクルトンも同じレシピ。季節によって日に日に変わりゆく蕪の味を感じてもらうべく、1年通して出しているレフェルベソンスの看板。

その名も「定点」。

 

きちんと季節の食材と向き合って、対話して、一つ一つ下処理をしてってやっている料理人こそ、どこまで手を加えるべきか、葛藤がある。

それを一旦下ろすという勇気ある行動によって実現する一年通して同じレシピの「定点」だからこそ、定点できて、感じられる蕪の味わいの変化はきっとこのレストランの常客だけの特権。

 

前に、嬬恋ではたらいていた時のじゃがいもも、毎日毎日同じように揚げるポテトフライだからこそ、季節によって味の変化を感じられ、夏にはホクホクの、冬にはむっちりとしてきて甘〜い、味を知っているのはずーっと食べ続けている私たちだけの特権。なんて思っていたっけ。

トマトも、毎日畑から取っては食べていたからこそ、味のピークを感じることができた。

 

それって、植物という生物としての変化を、体感するということなのだけれど、生江シェフはもはやそういう意味では料理人、というよりもちょっと生物学に寄ってきている、そんな風に感じました。

自然界と真摯に向き合う、そんな人たちの料理だからこそ、食べ手が季節を感じられる。

それは春だから桜エビを使おうとか、秋だから栗を、とか、そんな小手先のことじゃない。もっともシンプンル。そんな生物学がレフェルベソンスにはありました。

 

最後に出てきたチュッパチャプスみたいなチョコレートには、なんと私の大好きな梅干しが入っていた!奇跡!!

レフェルベソンス

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