たった今、この本を読んでいて、
久しぶりに、大きな興奮と感動と共感とやる気と驚きと…色んな感情が入り混じってよく分からないけど、軽いショック状態となるような経験をしました。
そう、おそらく、子どもが新しい世界を見すぎて興奮して起こすショック状態。これは軽い自家中毒です。
幼児期に限らず高校生くらいまでは今までも度々起こしてきましたが、まさか27歳ももうすぐ終わるというこの歳で自家中毒にかかるとは…。
でも、ウンウン、と思ったり、感極まって涙が出そうになったり、暖かい気持ちになったり、ワクワクしたり、自分もやる気が出て武者震いがしたり、そして本を閉じてしばらくフワフワしながら放心。
と、とにかく忙しかった。
簡単に解説すると、フードディレクターという、”食”のビジョンをかたちづくるお仕事をされている奥村文絵さんという方の本です。
奥村さんが扱う”食”は時に小さな地域であり、時にどこかのレストランであり、時に誰もが知っている大手メーカーの商品であり、実に様々。
それぞれのところにある”まず何が問題なのかも分からないような問題”を考え、様々な人をつなぎながら解決する糸口を見つけ、そこにあった”食”をかたちづくっていく。
自分の経験と照らし合わせてみると、
私が大人になってからの時間を過ごしてきた嬬恋村は私が育った環境とは大きく違うところでした。
大きく違うからこそ、見つけられる魅力的な部分をたくさん感じてきました。
でもその魅力に地元の方が本当の意味で気がつくためには、視点を良い意味でズラすことが必要だった。
そこに気づいていながら、その一助となることが、私は思うようにできずにきました。
この本には、奥村さんがそれぞれの現場で様々な角度から食を見つめ、たくさんの問題を抱えながらも、現場の方と考え、課題を明確にして解決する材料を組み立ててゆく、そのプロセスがいっぱいいっぱい詰まっていた。
異なる環境で暮らし働く方々と目的を共有しかたちづくるその一つ一つのプロセスが難しいものだということを感じたからこそ、奥村さんのお仕事の情景を想像しては一喜一憂し、結果的に自家中毒となったのだと思います。
私もいつかこんな仕事がしたい、この本を読んで心からそう思える、そんな体験をしたのです。
私にできること、私が目指すものが少しずつはっきりしてくる瞬間でした。
あぁ、いい読書時間だった。